カーボンニュートラルの実現に向けて、メタノールやギ酸を合成燃料として電力を取り出す、直接メタノール/ギ酸型燃料電池技術の開発需要が高まっています。これらは、プロトン移動を介した発電を行いますが、従来のプロトン交換膜では、燃料分子自身も電極間を移動して不必要に酸化され、電極触媒を失活させてしまう「クロスオーバー現象」が問題となっていました。本研究では、プロトン交換膜として、グラフェンシートに5~10 nmの穴を空け、かつスルホ基を有するスルファニル官能基で穴周辺を化学修飾してかさ高くしたものを新たに開発し、高いプロトン伝導度を維持しつつ、メタノールやギ酸分子の通過を妨げ、クロスオーバー現象を抑制することに世界で初めて成功しました。
詳細はこちら「グラフェンを用いて燃料分子の効果的なふるい分けに成功」です。
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Suppression of Methanol and Formate Crossover through Sulfanilic-functionalized Holey Graphene as Proton Exchange Membranes
(プロトン交換膜としてスルファニル修飾穴付きグラフェンを用いたメタノールとギ酸クロスオーバーの抑制)
伊藤良一