次世代型革新高出力蓄電池
「金属触媒フリーリチウム空気電池」の開発

伊藤 良一
(東北大学 原子分子材料科学高等研究機構(AIMR) 助教、現在、筑波大学 数理物質系 准教授

2018年9月10日月曜日

指導学生の論文受理

東北大学で指導していた修士学生(現東北大博士課程)の陳凌寒君の論文が受理されました。受け持ったときは修士1年生の学生ということで一から実験操作、データ取得や論文の書きかたなどを指導させて頂きました。学生指導に不慣れな部分があり苦労しましたが学生が成長していく姿が見れて楽しい期間でもありました。研究の世界では実力が物を言う世界であり、研究者の努力が結実することはそれほど多くありませんが、今回は学生の努力が著名な雑誌に認められるという最高の終わり方で非常に喜ばしいことです。というのも査読(審査)に要した期間が合計1年くらいほどあり駄目かなと思った矢先の受理でした。本当によかったです。これで東北大に残してきた学生関連の仕事は全て消化しました。本成果は私のさきがけ研究で注力したテーマであったため、きちんとした成果が得られてよかったと思います。

簡単な研究内容
グラフェンに化学元素をドープすると触媒能力が上がりますが電気伝導度が減少します。触媒自身の触媒能力が高くても電子を運搬する能力である電気伝導度が低いと、全体的な触媒性能は落ちてしまうことが知られています。つまり、化学元素のドープによる触媒能力と電気伝導度は全体の触媒性能を決定する上でトレードオフの関係を持っています。本研究では高い触媒性能(高い化学元素ドープレベル)を持ったまま高い電気伝導度を維持する方法を考えました。それは図のように高い電気伝導度を持つ3次元グラフェンの上に高い触媒能力(化学ドープグラフェン)を持つコブ状のグラフェンをドープすることで触媒能力を担う部分と電気伝導度を担う部分に分離する方法を開発しました。これにより、電気伝導度を損なうことなく触媒本来が持つ性能を発揮できる新しい階層構造を持った3次元グラフェンによる水素発生電極の開発に繋がりました。


図 階層構造を持ったグラフェン。大きな多孔質グラフェンの上に小さなコブの化学ドープグラフェンが乗った状態の電子顕微鏡像。元素マッピングからコブのグラフェンが化学ドープされていることが示されている。

詳細はこちらです。(有料)


伊藤良一

2018年8月23日木曜日

筑波大学サマースクールと大学説明会

8月10日高校生向けのサマースクール(体験教室)と8月11日受験生向け大学説明会が行われました。台風の影響で10日は若干のキャンセルが出ましたが、大盛況のうちに終わりました。私は後ろのほうで真剣に取り組む高校生の一面を記録するためにカメラマンをやってましたが、皆さん楽しんでもらえたようで準備した甲斐がありました。是非筑波大へ!







伊藤良一

2018年6月28日木曜日

腐食しない卑金属電極プレスリリース

筑波大学独立後第二弾として「酸性中で腐食しない卑金属電極」の開発を行いました。通常卑金属は酸性の中ではすぐに溶解して電極や触媒など使用できません。今回開発した卑金属はグラフェンを保護膜として採用し表面状態を制御することで酸性条件下でも腐食しない電極として機能させることに成功しました。これにより、酸性条件下では主に白金などの腐食しない貴金属を用いられている材料を卑金属に置き換えることができ、材料費の低コスト化が見込めます。腐食しない卑金属というコストの安い電極の開発を通じて水素社会への貢献に繋がれば願います。

詳しい内容はプレスリリースをしていますので見やすいこちらをご覧ください。
原著論文は有料ですがACSジャーナルで公開されています。


伊藤良一

2018年6月16日土曜日

担当学生の研究奨励金贈呈式に参加しました

6月14日に公益財団法人加藤科学振興会による平成30年度研究助成金・研究奨励金贈呈式に参加してきました。加藤科学振興会は、わが国の電気化学工業の発展と創造科学教育の育成に日夜心血を注いで貢献された故東京工業大学教授加藤与五郎博士が文部省の許可を得て、昭和 17 年 2 月 24 日に設立され、創造科学に関する学術研究の奨励と創造科学教育の振興を図ることを目的としています。そのような素晴らしい趣旨を掲げる財団の研究奨励対象者に私が担当している学生が選ばれました。大変名誉ある奨励であり、学生にとって独立研究者への大きな一歩になることと思います。私も加藤科学振興会には助成金を頂きまして自由に研究させて頂き、学生ともどもこの場をお借りしましてお礼を申し上げます。



伊藤良一

2018年6月4日月曜日

本多記念研究奨励賞受賞

このたび大変著名な本多先生の学徳を永く顕彰することを目的として設立された本多記念会から本多記念研究奨励賞を頂きました。東北大学に在籍中に研究していた金属およびその周辺材料の成果が認められ、名誉ある賞を頂くことができました。この賞の中身はすべて東北大で得られた成果であり、東北大学の関係者の皆様が支えてくれたおかげです。この場を借りまして皆様にお礼申し上げます。これを励みに一層金属およびその周辺材料の開発を進めていく所存です。どうぞよろしくお願いいたします。


伊藤良一

2018年6月1日金曜日

熊谷研究助成表彰と東工大元学長

5/31に熊谷科学技術振興財団による熊谷研究助成表彰式に参加してきました。今回5名が選ばれまして、それぞれ独創的な研究をされて活躍されてる研究者ばかりでした。幸運にも私もその一人に選ばれまして大変励みになる表彰をして頂き、財団関係者の皆様、審査員の皆様に改めて感謝いたします。今後一層の独創的な研究が行えるよう精進したいと思います。

またその会場で私が学生だったころの東工大の学長である相澤益男先生にお会いすることができました。学生時代証書に名前が掲載されており当時はお会いする機会などありませんでしたが東工大を卒業してからこのような形で会うことができ、大変嬉しくて写真を撮らせていただきました。退官後はJSTの顧問などをされて日本の科学技術発展に尽力されているとのことで非常に広い視点で様々なお話を頂き、研究者のあるべき姿を見つめ直す機会を頂きました。貴重な体験をさせて頂きありがとうございました。



伊藤良一

2018年4月24日火曜日

担当学生が研究奨励金交付対象者に選ばれました

私が担当している博士過程後期学生の胡凱龍君が平成30年度加藤科学振興会研究奨励金交付対象者に選ばれました。加藤科学振興会は精力的に若手研究者を支援している振興会で私も過去助成金を頂きまして自由に研究させて頂きました。今回の奨励は学生にとって大変励みになり一層の研究が進むと感じております。加藤科学振興会の皆様ならびに審査員の先生方に対して、この場をお借りしましてお礼を申し上げます。
また、私の自身が感じた自分の変化として自分が助成金に採択されるよりも学生が採択されるほうが嬉しいと感じました。一端の先生になれてきているのでしょうか。


伊藤良一