次世代型革新高出力蓄電池
「金属触媒フリーリチウム空気電池」の開発

伊藤 良一
(東北大学 原子分子材料科学高等研究機構(AIMR) 助教、現在、筑波大学 数理物質系 准教授

2016年3月16日水曜日

研究室立ち上げ1日目

居室と実験室を割り振られましたので研究室の立ち上げを始めました。実験室を頂いた時点ではこのようなドラフト、実験台とガスボンベスタンドが一つあるような状態でした。


しかし、通常実験室立ち上げは何も無いのが当たり前で、今回即使える設備があったのは同研究所中嶋健教授(現東工大教授)のご好意で設備の引継ぎを行えたからです。特にドラフトは注文から設置まで数百万単位の費用がかかり使える状態になるまで1ヶ月以上かかります。駆け出しの私にこれ以上のないプレゼントとなりました。中嶋教授とAIMRには感謝の言葉もありません。



この状態から今年度購入した実験装置の搬入しました。私一人しかメンバーがいないため、途中で力尽き、開封すらしていません。明日以降はセットアップを開始したいと思います。


伊藤良一

2016年3月1日火曜日

東北大学准教授昇進

研究関係者以外にはあまり馴染みがないと思いますが、今回、文部科学省が推進している世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)の研究拠点の1つである東北大学原子分子材料科学高等研究機構(WPI-AIMR)は「World Premier Status」という非常に高い評価を得て2017年3月をもって満期終了と決定しました。この決定を持ってWPI研究拠点に所属していた研究者・事務員たちはWPIプログラムで得た経験を生かすために次の活躍の場を求めて就職活動を開始しました。
私が所属している東北大学WPI-AIMRでは優秀な研究者が教授や准教授として東北大学以外の国立大学に栄転を決めており、WPIプログラムの戦略目標の一つである「頭脳循環」が着実に行われています。私もそれに続くためにWPI拠点で得られた経験と成果を携えて次のステップに移るために2015年後半から就職活動を行い、あちこちの大学の公募を出しては落ちを繰り返していました。
そんな苦戦をしている中、教授会にて私の雇用契約内容の更新が承認され、独立研究者というポジションを用意してくれるという話になりました。詳細は省きますが、来年度も現在所属している東北大学WPI-AIMRで独立研究室を運営しながら研究を続けることになりました。あくまでもWPIプログラム終了に伴う暫定的な救済措置ということで良い就職先が見つかり次第転出という約束です。そのようなわけで2016年もいろいろな人の助けを借り勉強をさせてもらいながらながら前向きに研究も就活も頑張ります。


伊藤良一

2016年2月25日木曜日

コンピューターおばあちゃん 作詞/作曲伊藤良一

最近同僚や関係者から問い合わせがあります。
伊藤良一で検索すると上位にヒットする「コンピューターおばあちゃん」って何ですか?
私も知りません。
ということで調べました。

コンピューターおばあちゃん 1984年
うた 酒井司優子
作詞/作曲 伊藤良一
ウィキペディア

要点をまとめるとNHKの番組『みんなのうた』の人気曲で繰り返し再放送されているそうで作詞/作曲の方が私と同姓同名でした。

伊藤良一

2016年2月12日金曜日

第10回 PCCP Prize受賞報告

この度、国王立化学会(イギリス化学会)が主催とし、日本化学会が合同で表彰している第10回PCCP賞を頂くことになりました。
本賞の受賞内容は学部時代とポスドク時代にご指導を頂いた教授方や先輩方から学んだ知識と経験を、助教着任後に現在のご指導を頂いている教授の下でうまく生かす機会を与えられて花開いた研究成果です。
このような1つの研究成果での受賞ではなく複数の研究成果を対象とする賞を頂くと、学部時代から助教時代までの研究は有機的に繋がっていて何一つ無駄なことはなかったなと感じました。
また、私が過去習得した研究能力を次の研究に生かすような手助けをしてくれた教授の研究構想能力は私一人では到底辿り着けない素晴らしいアイディアでした。
大変名誉な賞を頂くことができたのはこれまでご指導していただいた教授方、先輩方のおかげであり、この場をお借り致しましてお礼申し上げます。


第10回 PCCP Prize受賞


伊藤良一

2016年1月25日月曜日

さきがけ成果の特許申請

通常、科研費などの研究費で得られた研究成果は学会発表や論文発表をして年度末に成果報告を行うのですが、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)から頂いてる研究費を使っている場合は科研費などとは研究成果報告のプロセスが異なります。JSTからのプロジェクト研究では、論文発表をする前にまず特許申請を先に済ますのが大前提になっています。これは論文発表を先にしてしまうと「公知」になってしまい、特許性が失われ特許申請が出来なくなるからです。また、JSTは税金で行われた研究成果はきちんと社会に還元するという方針に則ってるからでもあります。

私も2015年10月から開始したJST-さきがけ「エネルギーキャリア」研究領域の成果がまとまりつつあるので論文発表の前に特許出願準備を行っています。特許出願は大学の知財部門と弁理士(有料)の力を借りますが、研究者個人が色々がやらなければならず、不慣れなルールと日本語で書かれているのに何が書いているかよくわからない書類の山です。税金でまかなわれている研究費を適切に運用することは研究以外の責任が増え、社会的責任を果たすために忙しくなるのだなと感じる日々でした。

伊藤良一

2016年1月14日木曜日

学術賞初挑戦

東北の財団から学術賞の2次選考の通知が来ましたので正月明け早々に面接に行ってきました。会場に入ると偉い役職の方々がコの字で待ち構えておりました。今回、企業の審査員の前での初発表で緊張するかと思えば、全く緊張せずとても良い状態で面接に望むことが出来ました。さきがけ面接はこんなに緊張したのはいつ以来だろうと思うくらい緊張しましたが、30代前半で一番大きな予算をもらえるさきがけ面接を潜り抜ければ怖いものなしということでしょうか。発表内容も質問内容も学術というよりも企業よりな内容、実用性、コスト、本当に商品化できるのかなど新鮮な面接となりました。審査していただいた役員の方々には貴重なお時間を頂き、良い勉強をさせていただきました!結果は2月に通知されるとのことで楽しみです。


伊藤良一

2016年1月1日金曜日

論文紹介:酸化還元した3次元グラフェンを用いた高感度光検出器

 今回、東北大学東北大学原子分子材料科学高等研究機構 (AIMR)で研究を進めている3次元ナノ多孔質グラフェンを用いて光検出センサーに使用可能な多孔質炭素材料の開発に成功しました。
 光に応答して電気を流す炭素材料は安価で環境にやさしい光検出のセンサーとして活用することが可能です。例えば、照度センサーでは光の明るさを電流の値として読み込むことによって自動的に照明の明るさを変更する用途で使用されています。本研究は、厚さのある3次元多孔質グラフェンを光検出部として使用することで、従来の2次元グラフェンの光吸収率と較べて10倍以上向上させることに成功しました。さらにその高い光吸収効率によってシリコン光検出器の10倍程度の感度を持たせることに成功しました。これは従来の光検出用2次元グラフェンは化学処理の過程で1枚のシート形状から細切れの破片になってしまうために、破片間を電子が飛びながら移動している為エネルギー効率が悪く、本来持っている性能を十分に発揮できないという問題点がありました。今回1枚に連続した3次元構造を保持し、かつ、多孔質構造による効率的な光吸収が可能な3次元ナノ多孔質酸化還元グラフェンを用いることによって電子がスムーズに移動することが可能になり、また、多孔質構造を持っていることから光の捕集能力そのものも炭素原子1個分の厚さしか持たない1枚のグラフェンに較べて格段に上昇し、その結果、光応答感度が劇的に上昇したと考えられます。この感度の向上により更なる装置の小型化が期待されます。


図(a) 酸化前の黒いナノ多孔質グラフェン、酸化後の白いナノ多孔質グラフェン(GO)、および、還元した酸化したナノ多孔質グラフェン(RGO)と走行型電子顕微鏡像. ナノ多孔質グラフェンの厚さは30μm. (b) 酸化グラフェンの透過型電子顕微鏡像. (c) 透過型電子顕微鏡高分解像. (d) 酸化グラフェンの炭素と酸素のサブナノメートル元素マッピング. (e) 電子エネルギー損失分光スペクトルによる炭素結合の状態分析結果.酸化により炭素2重結合を失い、還元により一部炭素2重結合が復活している様子を示している.


論文は・・・残念ながら有料公開です。
タイトル
3D Bicontinuous Nanoporous Reduced Graphene Oxide for Highly Sensitive Photodetectors


伊藤良一